正義を問い直す(学術俯瞰講義)
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正義を問い直す
第1回 イントロダクション
第2回 モラル・ジレンマと功利主義
こちらの講義の概要をだいふくちゃん通信でもご紹介しています。 ⇒【モラルジレンマと功利主義】「直観に反する」道徳理論をどのように考えるべきか? (だいふくちゃん通信)
第3回 アリストテレス:幸福と徳
近代において主流となる義務論的な倫理学に対して、古代・中世の倫理学は、しばしば、幸福論的な倫理学として特徴づけられる。幸福論的な倫理学を初めて体系化したアリストテレスの『ニコマコス倫理学』の冒頭部を詳細に分析することによって、幸福論的な倫理学の基本的な特徴を明らかにし、その現代的な意義をも浮き彫りにする。(Chap. 10)
第4回 カントの正義論
カントの正義論を、サンデルに従って『人倫の形而上学の基礎づけ』を中心に検討し、快楽などの傾向性の原理と対立する道徳的自律の原理とは何かを探求する。ただし、正義論といった場合、道徳と法の両方にまたがる領域を視野に収める必要があるので、サンデルがほとんど言及していない『人倫の形而上学・法論』『同・徳論』についても触れ、カント正義論の複雑な性格を明らかにする。(Chap. 6)
第5回 正義論としてのリバタリアニズム:ロックからノージックへ
リバタリアニズムのなかでもノージックの権原理論を中心に検討し、とくにロックのプロパティ論が権原理論にどのように消化ないし援用されたのかに焦点を当てつつ、正義論としてリバタリアニズムの可能性とその問題点について議論する。(Chaps. 3 + 4)
第6回 分配的正義とその批判:ロールズVSノージック
バーリンをして「20世紀に政治理論は死んだ」と言わしめた状況を一変させたロールズ『正義論』(1971年)のエッセンスについて確認し、それに対するノージックの根源的批判を検討したうえで、ロールズ正義論の可能性とその問題点について議論する。(Chaps. 7 + 8)
第7回 市場と倫理、コミュニタリアニズム
市場における自由な取引が公的に規制されなければならない場合はあるだろうか。コミュニタリアニズムについて、コミュニタリアニズムの市場批判に焦点を当てつつ講義する。(Chaps. 5 +12)
第8回 障碍と差別、積極的差別是正措置
平等の保障は、障碍者や社会の少数派集団に対して、健常者や社会の多数派集団が享受する以上の配慮を求めるだろうか。平等とは何かをめぐって講義する。(Chaps. 9 + 11)
第9回 法と道徳:同性愛を題材として
こちらの講義の概要をだいふくちゃん通信でもご紹介しています。 ⇒【マイケル・サンデルと自由主義】これからの「正義」と「善」の話をしよう(「法と道徳:同性愛を題材として」児玉聡先生)(だいふくちゃん通信)
第10回 正戦論
第二次大戦終結から半世紀を経て、米国の首都ワシントンにあるスミソニアン宇宙航空博物館が「戦後五十年記念展」を企画した。展示の原案に対する賛否両論の応酬が引き金となって、50年前の原爆投下の是非を問う議論がアメリカ国内の各種マスコミを賑わした。そのさなかに『正義論』(1971年)の著者ジョン・ロールズが発表したエッセイ「ヒロシマから50年」を主たる素材として、正義にかなう戦争の条件やルールを規定しようとし…
第12回 グローバルな分配的正義
国内にも経済格差や貧困といった問題がありながら、なぜ地球の裏側に位置するような国々に援助しなければならないのか。グローバルな分配的正義の論拠について講義する。
第13回 後期ロールズの政治的リベラリズム
後期ロールズは、前期の哲学的正義論から、論争的な哲学的理論に対する中立性を標榜し「重合的合意(overlapping consensus)」に依拠する「政治的リベラリズム」に転向した。ロールズのこの立場が孕む問題性を、それに対するサンデルの批判、両者に対する井上の批判と付き合わせつつ検討する。(Chap. 13)