東京大学公開講座「新たな秩序」
コンテンツ一覧
秩序の探求
第1回 インド古来のサステナビリティ(ダルマ):秩序と規範の一体性
古来インドでは、宇宙・世界を維持する「秩序・理法」があると考え、それをダルマと呼びました。しかし、世界の秩序を維持するために「なすべき務め」があるとも見なされ、その「務め」もダルマと呼びました。エネルギー・資源・地球環境の有限性が強く意識され、持続可能(サステナブル)な世界・システムの保持に向けて何をなすべきかが大きく問われる今日、秩序と規範を一体的に捉えるインドのダルマ観を見直す価値があると思…
第3回 パーソナルデータの循環とスマートソサエティ
スマートソサエティとは、物理世界とデジタル世界との融合によって機能を高めた社会です。スマートソサエティの実現には潤沢なデータの循環が必要ですが、GDPの大半が個人消費ですから、個人のデータを事業者が囲い込まず、本人の関与の下でデータの流通を促進することが特に重要です。本講義では、個人を中心とするデータ循環に関する国内外の動向を技術的・制度的観点から解説し、スマートソサエティにおける新たな秩序について…
秩序の形成
第4回 物質の中の電子:秩序と乱れ
たくさんの人が集まって人間社会がつくられるように、分子や原子が多数集まって物質ができます。人間社会に見られる秩序は人と人との関わりがあって生まれますが、物質も原子や分子、もっと細かく見ると多数の電子が相互に力を及ぼしあってできるものなので、そこには様々な秩序が生まれ、時にそれが壊れます。物質を一種の社会として捉えると、私たち人間社会に通じる面白い振る舞いが見えてきます。 04:51 秩序ー規則正しく…
第5回 都市と人口分布の秩序
現在の日本では、東京や大阪、名古屋といった大都市に多くの人が集まって暮らしています。このように限られた場所に大勢が集中すると、地価や家賃が上がり、渋滞や混雑が生じて暮らしにくくなりそうです。それにも関わらず、なぜ人は集まって暮らそうとするのでしょうか。また、その結果生じる都市化や人口分布に何か規則性は見いだせるでしょうか。都市経済学や地域経済学という分野は、長い間こうした疑問に対する答えを考え続…
第6回 仏教が説く秩序の形成と崩壊
紀元前5世紀頃、仏教が成立した時期は、ちょうどインドのガンジス川流域で国家が成立し、市場が広がっていく歴史の転換期でした。新たな社会秩序が作り上げられた時期に生まれた仏教は、創造神を否定し、存在や社会について新たな思想を展開して、アジア各地へ大きな影響を与えました。インド仏教研究の方法を紹介しながら、古代インドの歴史的文脈を踏まえ、思想史的視点から、仏教経典が説く秩序の形成と崩壊を論じます。 …
秩序の再生
第7回 細胞内のリサイクルによる秩序:オートファジー
私たちの体は10兆個の細胞でできていますが、細胞は知らないうちにどんどん入れ替わっています。また、細胞のなかも盛んに入れ替わっています。このようなリサイクルにによって、私たちは新鮮さを保ったり、成長や環境変化などに応じて変化したりすることができます。講義では、2016年ノーベル賞受賞対象にもなった細胞内の主な分解システムであるオートファジーについて、発生や病気との関係にも触れながら解説します。 …
第8回 グローバルリスク・ガバナンスとその限界:グローバルヘルス、サイバーセキュリティの場合
グローバル化に伴い、現代社会が対応することを求められているグローバルリスクは、越境性、複合性という性格を有します。グローバルヘルスとサイバーセキュリティの課題に対応するために、どのような国際的組織・制度が発展してきたのか、その中で、専門家間あるいは事業者間のトランスナショナルなネットワークや情報共有のメカニズムがいかなる役割を担っているのか、国の役割は何かといった点について、議論します。 0…