デジタル・ヒューマニティーズ ― 変貌する学問の地平 ― (学術俯瞰講義)
コンテンツ一覧
第1回 あらたな人間学としてのデジタル・ヒューマニティーズへのいざない
人類は、前世代が記録や痕跡として残したいとなみを、読み解き、読み解くことをとおして、新たな成果を生み出し、さらにそれを記録し、次世代へと引き渡してきました。言語を有し、言語を精緻に発展させた人類は、流動的世界を言語の内部に保蔵し、再度開顕するような力を発揮することで、世界を意味に変えつづけています。デジタル時代に入り、この人間のいとなみは、以前に比して、はるかに先鋭的なかたちで現れつつあります。…
第2回 データ志向AI時代における言語のデカルト的使用について
メディアはメッセージである、デジタル技術の導入は知識の編成を質的に変える、AIは社会を変える等々といった、相変わらず見られるどころか最近また広まっているようにも思われる粗雑な「命題」は、仮にそれが一定程度の妥当性を有するならば、それらの「命題」そのものをあたかも有意味であるかのように表明することができる条件そのものの検討をも要求しているという点については、論理的に明白であるにも関わらず、極めて都合…
第3回 デジタル時代のcriticism
こちらの講義の概要をだいふくちゃん通信でもご紹介しています。 ⇒デジタル技術は“criticism”をどう変えられるのか(だいふくちゃん通信)
第4回 デジタル・ヒューマニティーズの歴史に於ける、XMLとTEIの役割
デジタル・ヒューマニティーズの歴史は1960年代にさかのぼるが、現実的に言えば、1980年代半ばにPCが登場するまでは広範に発展しなかった。 その後、研究者は自分のコンピュータ上でテキストの入力と分析を開始した。 すぐ後で、いわゆるマークアップ言語が出現した。最も重要であるのは、SGML(後でXMLに進化する)だった。 これらのマークアップ言語が広く使用されるにつれ、人文学者はテキストをタグ付けする体系的な方法が開発…
第5回 知識のインターネット
人々による知的活動の成果を時間や場所を越えて共有するために、知識の記述方法や、その知識に効率よくアクセスするためのよりよい仕組みが常に模索されてきました。インターネットやウェブは分散的な情報管理とリンクによる関係づけによって、情報量の飛躍的な増大と流通の円滑化をもたらしましたが、その先には多様な専門分野を総合的に理解して適切な情報を入手するための手法や、それらの作業を人間だけでなくコンピュータに…
第6回 人工知能と自然言語処理技術を利用した人文知の構造化
こちらの講義の概要をだいふくちゃん通信でもご紹介しています。 ⇒【東大の授業の関係性が可視化される?】人工知能で人文知を構造化する方法について(だいふくちゃん通信)
第7回 アーカイブが変えるテレビ研究の未来
これまでテレビ番組は「一回放送すれば終わり」「電波とともに消えて無くなるもの」と考えられてきました。しかし、放送開始から60年以上が経ち、日本でもようやくテレビ番組アーカイブの整備がはじまっています。ドラマやドキュメンタリー、ニュースやスポーツ、バラエティや歌番組、アニメやCMなど、過去に放送されたテレビ番組を研究や教育に活用する試みも注目を集めています。アーカイブという新しい技術環境はテレビ研究の…
第8回 VR2.0の世界
昨今、VR技術が注目を集めている。VRという言葉がはじめて使われたのが1989年のことであるから、今回は2周目のブームということになる。もちろん、当時と今とでは技術的・社会的な環境が全く異なっており、その意味で現在のVRはVR2.0とでも呼ぶべきものであろう。本講義では、VR技術の過去と現在について解説したうえで、この新しいVR2.0はどう進化していくのか、どうわれわれの考え方や産業や社会に影響を与えていくのかについて…
第9回 古代ギリシア・ローマ彫刻と先端技術
こちらの講義の概要をだいふくちゃん通信でもご紹介しています。 ⇒最先端3D技術で解き明かす古代ギリシア・ローマ彫刻(「古代ギリシア・ローマ彫刻と先端技術」芳賀 京子先生)(だいふくちゃん通信)
第10回 デジタル・ヒューマニティーズと文化財
デジタル技術の発展に伴い、古い文化財の保存や公開に関しても新たな潮流が生まれつつある。高解像度の撮影や印刷技術、あるいは3Dプリンタを用いた複製品が、「実物」の文化財に代わって古社寺や博物館・美術館で展示されるようになったのもそのひとつである。本講義では、日本の文化財にかかわるデジタル・ヒューマニティーズ導入の事例を紹介するとともに、その利点と問題点を検証する。
第11回 フロイトへの回帰:デジタル・ヒューマニティーズと無意識
こちらの講義の概要をだいふくちゃん通信でもご紹介しています。 ⇒【デジタルで変わるもの・変わらないもの】フロイトに立ち返り、これからの学問の話をしよう(だいふくちゃん通信)
第12回 デジタル・ヒューマニティーズと東アジアの人文学
こちらの講義の概要をだいふくちゃん通信でもご紹介しています。 ⇒【デジタル×人文学】青空文庫と紙の本の読書体験はどのように異なるの?(だいふくちゃん通信)
第13回 デジタル・ヒューマニティーズが照らす知の過去と未来
この回は、コーディネータの下田と、ナビゲータの齋藤とが、対談形式で、全12回を概観します。学生からの積極的な応答を受けながら、双方向のコミュニケーションのなかで、人類が文化を生み出すこと、記録すること、読みとくこと、継承することの意義を、デジタル時代という地平において確認してみましょう。そこからは、過去と未来とが混淆しているような、新鮮な事態が見えてくるでしょう。