2021年度:高校生と大学生のための金曜特別講座
コンテンツ一覧
夏学期
カーストとは何か:インドの歴史人類学から再考する
インド世界の魅力の一端はその圧倒的な多様性にあります。そして実は、多様性を保つための社会制度として機能してきたのがカーストでした。 現代社会においては、人びとの平等性と多様性を共に重んじることが大切です。それはいかにして可能なのでしょうか。そのためのヒントを、インドの歴史と社会から探っていきましょう。 講師:田辺 明生 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなたのシェアが、ほかの誰かの学び…
分子から生命をつくる合成生物学
生物と無生物は何が違うのでしょうか? 動く、増える、DNAを持つ、進化するなど多くの違いがあります。しかし、現在の技術を使えば、これまでは生物しか持たなかった特徴を持つ無生物を作ることができるようになってきています。本講義では、これまでに何が作れていて何が作れていないのか、作ることで何が分かるのかについてお話したいと思います。 講師:市橋 伯一 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなたのシ…
民主主義とは何か:歴史から考える
民主主義について、しばしば混乱した議論を耳にします。民主主義は多数決であるが、少数者の権利の擁護でもある。民主主義とは選挙であるが、選挙だけが民主主義ではない。民主主義は具体的な制度であるが、未完の理想でもある。民主主義の歴史を追うことで、これらの議論を考えてみましょう。 講師:宇野重規 02:19 この講座について 03:35 講義 1:01:24 質疑応答 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あ…
戦時下日本芸能界の朝鮮ブーム
戦争中の日本は、軍部が力を握り、息苦しい世の中でした。加えて朝鮮の人びとは独自の文化を否定され同化を強いられました。ところが、意外にもこの時期、日本の興行界では朝鮮の歌や踊り、芝居がちょっとした流行現象を起こしています。それはなぜでしょうか? この戦時下の朝鮮ブームと植民地主義の関係、それへの抵抗について考えていきます。 講師:外村 大 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなたのシェア…
生き物の群れと微生物の泳ぎを物理の目線で見てみたら
1 mmの1/100~1/1000程度の大きさの微生物の世界では、我々の常識が通用しません。微生物にとっては水はドロドロで、まるでハチミツの中を泳いでいるように感じます。1匹でもとても面白い微生物がたくさん集まったら、どんな振る舞いをするでしょうか?生き物の群れに共通する法則を見出そうとする「アクティブマターの物理学」についても紹介します。 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなたのシェアが、ほかの誰か…
大江健三郎のデビュー作「奇妙な仕事」を読む
ノーベル賞作家である大江健三郎氏の自筆原稿が、東京大学文学部に寄託されることが発表されました。その原稿だけでも、五〇点、一万枚超に及ぶそうです。戦後という時間のほとんどを覆う、大江氏の持続的な創作活動に改めて頭が下がる思いがします。この講座では、一九五七年、東京大学在学中に発表されたデビュー作「奇妙な仕事」の読解を通じて、大江氏の文学の核心にあるものについて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います…
デジタルゲームの感性学
現代の遊びの代名詞ともいえるデジタルゲームは、娯楽品や工業製品として重要であるばかりでなく、知覚や想像、反応、情動といった、われわれの「感性」を理解するうえで最適な研究材料でもあります。ゲームは勉強の妨げになるからダメと、ふだんは我慢している人も多いかもしれませんが、この授業では思う存分、ゲームのことを一緒に考えてみましょう。 講師:吉田 寛 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなた…
「良い定義」の発見が世界を変える
数学は、我々がなにげなく使っているいろいろな概念を、客観的かつ厳密に表現する方法を与えてくれます。「似ている」とは?「ランダム」とは?「美しい」とは?「大きい」とは? どれも答えは1つではありません。状況に応じた「良い定義」の発見が、数学の世界と現代社会をどのように変えてきたのかを紹介します。 講師:佐々田 槙子 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなたのシェアが、ほかの誰かの学びに繋が…
不平等の社会学:データから社会を考える
近年、社会的不平等と財の再配分をめぐって世界中で大きな論争が起こっています。本講義では社会的不平等とは何か、なぜ問題となるのか、どうやって測るのか、社会学の立場から階層移動論の考え方を紹介します。男女格差や世代間格差、地域間格差など、身近な題材を通じて、社会的不平等とその解決方法について一緒に考えてみたいと思います。 ★高校生と大学生のための金曜特別講座
冬学期
動物に心があるか
私たちのそばにいる猫やカラスやトカゲに心があるだろうか。自分に心があるのは確実だが、自分以外の人にも心があるのだろうか。動物に心があることを示すことは原理上不可能かも知れない。でも、心がありそうかどうか推測することはできる。動物の心を知ろうとする研究を紹介します。 講師:岡ノ谷 一夫 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなたのシェアが、ほかの誰かの学びに繋がるかもしれません。 お気に入…
第二の地球探しの現在と未来
1995年に太陽以外の恒星を公転する「系外惑星」が初めて発見されました。それから20年あまりが経ち、今では4,400個を超える系外惑星が発見されています。その中には、表層に液体の水を保持しうる「生命居住可能惑星」も発見されてきました。宇宙に第二の地球と呼べるような生命を育む惑星はあるのでしょうか?第二の地球探しの現在とこれからの展望を紹介します。 講師:成田 憲保 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 …
データで見る日本の森林の実態と未来可能性
日本の国土の68.5%は森林に覆われており、日本は世界有数の森林大国です。東京大学は森林を学ぶフィールドとして7都道県に演習林を所有しており、その総面積は国土の0.1%、東京大学のキャンパス面積の99%を占めています。この講義では、データに基づき日本の森林の実態を明らかにした上で、私たちは日本の森林とこれからどのように付き合っていけばよいかを考えます。 講師:蔵治 光一郎 ★高校生と大学生のための金曜特…
生物細胞の形は何が決める?物理学からの答え
生物の最小単位である細胞は、機能に適した形をもっています。例えば、赤血球では凹みのある円盤形、小腸の内壁に生えたひだは細長い筒形状など、多様な形が見られます。こうした細胞の形は、どのように決まっているのでしょうか。私たちは、数種類の分子のみから細胞を真似して造りあげることで、その形を決める力学的法則を解き明かしてきました。こうした細胞の模倣系は、新型コロナのmRNAワクチンでも用いられています。本講…
世界史を中央ユーラシアから見る
「中央ユーラシア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ユーラシア大陸は近代以前の世界史の主な舞台であり、その内陸域、すなわち中央ユーラシアの人びとこそが、各地域を結びつけるとともに、地域を超えて世界史を動かしてきました。今回の講義では、その主な担い手となった遊牧民を中心に中央ユーラシアという地域に光を当てるとともに、そこから世界史を問い直したいと思います。 講師:杉山 清彦 ★高校生と大学…
美しい数学入門―特異点の謎に迫る
7世紀に数学者・哲学者のデカルトは座標を導入し、いろいろな図形が方程式で表せるようになりました。それを複素数で考えるともっと美しい世界が広がります。方程式で表せる図形には、特異点と呼ばれる、宇宙空間のブラックホールのような点もあります。そんな特異点やその周りの様子を探ってみましょう。 講師:伊藤 由佳理 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなたのシェアが、ほかの誰かの学びに繋がるかもし…
AIDS危機からコロナ・パンデミックを見る
今日のCOVID-19の感染拡大を念頭におきつつ、1980年代のアメリカ合衆国におけるAIDS禍を振り返り、公衆衛生上の危機がいかに既存の社会的不均等を再生産し、同時にそのための口実を提供するのか、それがマイノリティの生をどのように脅かすのかについて、考えます。 講師:清水 晶子 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなたのシェアが、ほかの誰かの学びに繋がるかもしれません。 お気に入りの講義・講演があれ…
気候変動の自然科学的理解:IPCCによる最新の報告書を読み解く
2021年8月、国連気候変動に関する政府間パネル (IPCC) 第1作業部会から最新の報告書が公表されました。この報告書は、自然科学に基づく過去の気候変動の理解と将来の温室効果ガス等の排出シナリオに基づく予測について、世界中で行われている研究に基づいて知見をまとめ評価したものであり、変化していく気候に社会がどう適応していくか、またさらなる気候変動をどこまで抑制しなければならないかを決定するための根拠となります…
あなたはふだん文章の「声」を読んでいますか?
文章を読むとき、みなさんはまず「何」が書かれているかが気になるでしょう。しかし、私たちは知らず知らずのうちに文章の「声」も読んでいます。この講義では実例を使いながら、文章の「声」がどのように表現されるか、そもそも文章の「声」を聞くとはどういうことか、また英語と日本語では声の生まれ方は違うのか、といったことを考えます。 講師:阿部 公彦 ★高校生と大学生のための金曜特別講座 ★あなたのシェアが…